ビザの基本知識!特定技能のビザとは?
14種類の特定産業分野で、外国人の労働者が労働に従事できるようになっています。しかし、特定技能のビザは、課題がまだ残されています。また、外国人を労働者として雇用したいと考えていても、雇用できない企業があります。今回は、ビザの基本知識を中心に記事を見ていきましょう。
2022年現在29種類もの在留資格が存在する
概要について見ていきましょう。
2019年に特定技能の在留資格が追加された
日本語でコミュニケーションがとれる能力と、業務に必要な高度な知識と技能を有する外国人は、2019年に特定技能の在留資格が追加されたことにより、現場で働くことができるようになりました。特定技能のみならず、在留資格は29種類もあります。
14種類の特定産業分野で就労できる
日本語でコミュニケーションが取れる能力と、業務に必要な高度な知識と技能を有する外国人であっても、すべての業種で就労できるわけではありません。14種類の特定産業分野に限定されています。
これは、日本が外国人を労働力として求めている理由が根拠になります。日本の少子化による働き手不足が深刻な業種に限って、外国人を労働者として就労させることが目的となっています。
日本人労働者の代わりに外国人を雇用するという狙いです、今後は、さらに業種が増加する可能性がありますが、現在は14業種となっています。
14種類の業種と受け入れ人数
介護は6万人、ビルクリーニングは3万7,000人、素形材産業は2万1,500人、産業機械製造業は5,250人、電気電子情報関連産業は4,700人、建設業は4万人、造船・舶用工業は1万3,000人、自動車整備業は7,000人、航空業は2,200人、宿泊業は2万2,000人、農業は3万6,500人、漁業は9,000人、飲食料品製造業は3万4,000人、外食業は5万3,000人となっています。
介護の分野は訪問介護の仕事は対象外です。また、飲食料品製造業は、酒類の製造などはできません。
特定技能1号
日本で就労を希望する外国人は、在留期間が通算5年の特定技能1号のビザを取得します。この間に、ほかの就労資格を取得しない限り帰国しなければいけません。また、特定技能2号とは異なり、家族の帯同は認められていません。
特定技能2号
試験に合格した場合のみ特定技能2号のビザを取得できます。家族も日本で生活できるようになり、永住権も与えられます。
現状と課題
14種類の特定産業分野で就労できるのは、特定技能1号のビザを取得した外国人です。その後、試験に合格して特定技能2号のビザを取得しても、現在の日本では2種類の特定産業分野でしか就労できません。それは、建設業と造船・舶用工業です。
残りの分野で特定技能2号のビザを取得したいと考えている外国人は、ビザの切り替えができない状況となっています。政府などは、現在の2業種の状況を改善するため、業種の拡大を検討していますが、具体的な業種や時期などが示されていません。
特定技能ビザで外国人を雇用できる企業・できない企業がある
外国人を雇用できる企業は、必要な要件を満たしています。
特定技能所属機関
特定技能ビザで外国人を雇用する日本の企業を指します。原則として、業種別にある協議会に加盟して、外国人の受け入れに必要な知識の修得に努めています。外国人の受け入れを適正にスムーズに行うために、そのノウハウを持っている協議会から情報を入手するようになっています。
特定技能所属機関として認められるための要件
労働などに関する法令を遵守していることや、1年以内に外国人社員を自発的に離職させていないことなどの要件を満たす必要があります。詳細は法務省のホームページから確認できます。
外国人を受け入れるための基準
外国人と結ぶ雇用契約が適切なものである、外国人を受け入れる期間が適切である、外国人を支援する体制がとれている、外国人を支援する計画が立てられていることが基準となっています。
特定技能所属機関の義務
外国人に報酬を適切に支払う、外国人の支援を行う、必要な機関に必要な届け出を行うことなどが義務として挙げられます。
登録支援機関に委託できる
外国人支援を企業ですべて行うのはマンパワー的に厳しいところがあるでしょう。そこで有効なのが登録支援機関です。外国人の就労に関する管理面を委託できます。金銭的な負担は必要ですが、企業は本来の業務に専念できるため、煩わしい業務を放棄できます。
申請に必要な準備・資料を用意しよう
早めに準備しておきましょう。
19種類もある必要書類
全部で必要書類が19種類もあります。このうち、企業で支援をすべて行う場合は、支援責任者および支援担当者の履歴書などの写しを準備する必要があります。
登録支援機関に委託する場合は、支援委託誓約書を用意します。19種類ありますが、すべてを用意する必要はなく、自社ですべて業務を行う場合と登録支援機関に委託する場合で必要な書類が変わります。
まとめ
外国人の雇用を考えている企業は、変化する政府の方針などにもアンテナを張りながら準備を推進していく必要があります。自社で完結できるノウハウを持っている企業は全体のわずか数%で、残りの企業は登録支援機関に委託しているのが現状です。どちらにもメリットとデメリットがありますが、そこまで規模が大きくない企業は、自社で完結するのは難しいでしょう。