外国人材を受け入れる前に知っておきたい文化・風習の違いとは?

公開日:2022/05/01


外国人材を受け入れる際に問題視されるのが、言語の違いと文化・風習の違いです。言語は明らかな違いであるため比較的受け入れやすい傾向にありますが、文化・風習の違いはわかりにくいといえます。外国人と日本人の常識はそれぞれ異なるため、事前に文化・風習の違いを理解しておくことが大切です。

外国人労働者の雇用が増えている背景

厚生労働省の発表した外国人雇用の届け出状況によると、外国人労働者の数は年々上昇しており、2022年には180万人を突破しました。このような傾向がみられるのは、主に3つの要因が挙げられます。

・技能実習生の受け入れが進んでいる
・政府が留学生の受け入れを進めている
・「永住者」「日本人の配偶者」などの資格を持った外国人が増えている

政府はコロナウイルスによる労働者減少の問題を解決すべく、外国人労働者の雇用を進めています。特に、介護・建築業界は人材不足が目立つため、今後これらを中心とした受け入れが進むでしょう。

また、外国人労働者の増加は日本における若年層の人材不足も関係しています。中でも、飲食業・製造業は高い技術を求められるため、人材確保がとても難しいです。

そこで、企業は各国の技能実習生やスキルの高い外国人労働者を積極的に採用しています。このように、外国人労働者が増えた背景はさまざまです。

国籍によって採用されている業界の傾向もあるため、採用する際には事前に調べておくのもよいでしょう。

それぞれの国ごとの文化・風習の違い

日本で働いている外国人の国籍はさまざまです。今回、2022年4月時点において、外国人労働者に多い国籍トップ3の文化と風習の違いを紹介します。

中国

ストレートな表現・伝え方を好みます。まっすぐに意見を伝えることが礼儀だと考えられているため、上司であっても率直に伝えることが多いです。はっきりとした物言いは、攻撃的にみえてしまうことも。また、給与に見合う仕事を行うこと、結果主義であることから、業務範囲をこえることをしない傾向にあります。丁寧な対応や笑顔といったホスピタリティは業務の範囲外と認識し、無償で行う意味が理解できないといえるでしょう。

ベトナム

同僚とは家族のような距離感で付き合う傾向にあります。コミュニケーションを重視しているため、感情的になりやすい一面も。また、家族を第一に考えることから、休暇を希望する回数が多く感じられるでしょう。家族の誕生日や本人の誕生日などを大切にするため、配慮する必要があるともいえます。とはいえ、真面目な人が多いため、仕事の納期を設定すれば家族行事は大切にしながらも休日返上をしてでも仕上げてくれる一面もあるようです。

フィリピン

フィリピンでは給料日が月に2回あります。貯金をしない傾向にあり、月に一度の給料では1か月もたない傾向にあるようです。そのため、お金を貸してほしいといわれたというトラブルも少なくありません。さらに時間や期日に対する認識も甘いため、仕事を依頼する際はこまめに期日と作業の進捗具合を確認する必要があるでしょう。一方、単純作業が得意で、指示に従う性質を持ち合わせているため、確認さえ怠らなければ大きなトラブルに発展することはないといえます。

文化・風習の違いによってトラブルになることも!

文化や風習の違いによって引き起こされるトラブルを2つ紹介します。たとえ同じアジア圏であったとしても考えや認識の違いは大きいため、充分に理解することが重要です。

コミュニケーションのトラブル

挨拶の習慣がない国や、業務の報告・連絡・相談を行わない国もあります。習慣がなければ、挨拶や報告をするように伝えたとしても、その意味や必要性まで理解できない可能性が高いです。そのため、何度注意しても挨拶や業務連絡を疎かにしてしまう外国人従業員が少なからずでてくることが考えられます。とくに報告・連絡・相談は、習慣のない外国人従業員にとって区別することもむずかしいようです。時間軸で説明するなど、わかりやすく覚えやすいように説明する必要があるでしょう。

納期や始業時刻をふくめた時間のトラブル

海外では電車やバスが時間通りに到着しないという話をよく耳にするのではないでしょうか。国によっては、時間を守るという感覚が希薄であることも。たった数分の遅れが、信用を失う可能性に発展することを理解できないこともあるようです。一方で、時間を守るようにいわれているにもかかわらず、終業時刻を守らない日本人を理解できないのも無理はないのかもしれません。

文化・風習の違いによるトラブルを防止するために企業がするべき事

文化・風習の違いによるトラブルを防止するには、長期的な対策と事前に行える対策のふたつがあげられます。いずれも、互いに違いがあると認識することが重要であるため、外国人労働者と日本人労働者の双方に働きかけるようにしましょう。

業務内容を明示しておく

海外では採用時に業務内容は定められていることが多いです。従って、業務内容が明確でないと、外国人労働者が戸惑ってしまいます。業務内容を明示し、リーダーや時間内に終わらせるべき業務内容をしっかりと把握させましょう。

コミュニケーションしやすい環境をつくる

相互の文化・習慣の違いを理解するためには、コミュニケーションがもっとも有効な手段といえます。日本の文化・習慣が当然であると思わず、なぜそのようなことを行うのか、どのように考えているのかを問うようにしましょう。わかりやすい言葉で説明し、少しずつ歩み寄ることでトラブルが少しずつ防止できます。また、気軽に話しかけることで、信頼関係を築くことも可能です。業務に困ったときや悩んだとき、すぐに聞いてもらえるようになることが期待できます。

文化の違いをお互いに理解してもらう

できるだけ早く、文化の違いを理解してもらうことが大切です。挨拶・礼儀・習慣、それらを知ることで、双方に譲り合う気持ちがうまれるでしょう。文化の違いによってトラブルが発生してしまうまえに理解することで、わだかまりも防止できます。

 

外国人と日本人の文化・風習の違いは、あって当然のものです。そして、どちらかが優れているわけでもありません。重要なのは、外国人と日本人ともに、双方に違いがあるという事実を受け入れることです。企業側はできる限り、相互理解ができる環境を整えるようにしましょう。大きなトラブルに発展するまえに、少しずつ認識や考え方のギャップを埋めていくことをおすすめします。

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