外国人労働者をどう評価する?キャリアアップの進め方
外国人は日本と同様、あるいはそれ以上にキャリアアップを意識しているかもしれません。しかし、外国人労働者の対応に悩む企業は、不当な評価や労働環境で日本人労働者と差別するところがあります。その結果、外国人労働者の離職につながるので、適切な評価が大切です。この記事では、外国人労働者の評価・スキルアップについてご紹介します。
外国人労働者のスキル・能力を的確に評価するには?
キャリアアップに関連する評価は公平にする必要があります。日本の企業は日本人労働者の評価を優遇しがちなため、外国人労働者が企業を離れていきます。そうした事態にならないためにも、企業は外国人を含めたすべての労働者が納得できる評価基準・制度を設けることが大切です。
評価項目と評価基準
客観性・公平に基づいた的確な評価が大切です。そのためには、評価項目と評価基準を明確にする必要があります。労働者ひとりひとりの目標をはっきり形にし、その目標を達成するための必要なスキルや達成時期の目安を明らかにしましょう。このとき、誰が見ても理解できる詳細にすることがポイントです。
労働者の目標と達成時期を具体的に出すことで、労働者の働く姿勢が見えやすくなり、客観的に仕事を評価できます。
仕事を評価したら適宜、労働者にフィードバックをしましょう。今回の評価の内容、どうしてこのような評価になったのかなど、評価は細かくわかりやすく伝えることが大切です。注意点として、目標を決めるときは、現時点の労働者のスキルよりも明らかにレベルが高い目標を設定しないように気をつけましょう。
労働者が無理なく達成できる目標を決めるために、上司は労働者と話し合いを重ねて適切な目標を一緒に決めます。
外国人労働者のモチベーション向上と定着率の向上を目指そう
外国人労働者のモチベーション向上と定着率をアップするために、次のようなことを意識してみましょう。
円滑なコミュニケーション
外国人労働者は文化や言葉の壁などから、孤独に感じやすい傾向にあります。一緒に働く仲間が積極的に話しかけて、円滑なコミュニケーションをとることが大切です。また日本語のレベルを求めすぎないことも大切です。
外国人労働者のなかには、レベルの高い日本語を求められると、プレッシャーに感じてストレスが溜まる方もいます。ストレスの蓄積によって、離職につながる場合もあります。そのため日本語だけでなく、英語も交えてのコミュニケーションを意識しましょう。
評価や待遇を日本人と同じにする
上記で触れたとおり、日本企業は日本人と外国人の評価や待遇を差別する場合があります。そうした不満からモチベーションの低下や離職につながるので、評価する社員は外国人労働者に評価基準やキャリア計画を丁寧に説明しましょう。このとき、外国人労働者はすべてを理解することが大変です。
少しでも外国人労働者が理解できるような言葉を選び、時間をかけて細かく説明することが大切です。そうすることで自分のすべき点が理解でき、仕事に対するモチベーションも高まります。
具体的なキャリアアップの提示
勤続年数が長くても一向にキャリアアップできていなければ、外国人労働者のモチベーションは低下し続けます。企業がキャリアアップできるロードマップを提示して、どのような方法でキャリアアップできるのか具体的に伝えることが大切です。
キャリアアップの道をしっかり提示することにより、モチベーションは高まり、離職率も低下していくでしょう。
そもそも外国人労働者のモチベーションが上がらない原因とは
外国人労働者のモチベーションが上がらない原因は、主に業務内容=賃金が均等ではないことです。外国人だからという理由で、日本人よりも賃金は低く設定する企業が多く見られます。その結果、働いても意味がない、と外国人労働者は強く感じるようになり、モチベーションが低下します。
また、指導方法や人間関係もモチベーションを低下させる要因です。上司が外国人の対応法を理解していなければ、指導方法は迷子状態になります。適当な指導内容となり、外国人労働者は受け入れがたいと感じるかもしれません。
一方で人間関係については、日本人の社員が外国人労働者を小馬鹿にするような発言・態度などを見せることにより、ストレスが蓄積します。ストレスから働きにくいと感じ、モチベーションの低下や離職につながります。
スキルアップや能力開発を促進する方法
外国人労働者のスキルアップ向上につなげるために、次のような点に気をつけましょう。
仕事ぶりを評価する
外国人労働者の仕事ぶりをしっかり評価しましょう。外国人、日本人に関係なく、誰しも褒められたい・認められたいという感情があります。さらに外国人は、異国の地で仕事をするので不安感を強く抱いています。
少しでも外国人労働者が安心して働けるように、仕事が成功した際はしっかり褒めましょう。言葉で仕事が評価されることで、外国人労働者のモチベーションが向上し、スキルアップや能力開発につながります。
残業ばかりを与えない
残業ばかりでだと、仕事に対するやる気は下がる一方です。オンとオフの切り替えをはっきりすることで、意欲的に仕事に取り組める場合があります。毎日のように残業をさせるのではなく、残業しない日を作って外国人労働者がゆっくり休める環境を整えましょう。
メンター制度の活用
メンター制度とは、同世代や社歴の近い先輩が後輩をサポートする制度です。とくに入社したてのころは不安と期待が大きく入り交じっています。年齢などの離れた上司に相談することも必要ですが、同世代の先輩社員だと話しかけやすく、仕事以外の相談も行いやすいでしょう。
外国人労働者は仕事環境だけでなく、プライベートでも不安感は大きくあります。そのためメンター制度を活用し、ささいなことでも気軽に相談できる同世代の先輩社員を配置して、仕事に対するやる気を高めてスキルアップに導いていくことが大切です。
まとめ
外国人労働者は言語・文化・生活がまったく異なるため、企業はどのように対応したらいいのか悩むかもしれません。言葉が通じないことを利用して、仕事内容を増やしたり小馬鹿にしたりするなど、外国人労働者が働きにくい・辞めたいと感じるようなやり方は避けてください。外国人労働者がモチベーションを維持したまま働ける環境を用意することが大切です。そのためには、評価基準を明確にしてスキルアップできるような道筋を一緒に作っていきましょう。